
B/S経営を目標に実践していた常務から、専務となり新たな取り組みを求められました。統括しておりましたのは経営企画本部でしたので、 業務上で必要な知識を高めるために読んでおりました色々な経営本からヒントを探しておりました。今まで考えていたのは内向きな会社の 事だけでしたので、外向きな会社を取り囲んで助けていただいている方々に視点をおいた経営が必要と考えるようになりました。 つまり、多くの方々に助けていただいていて、会社が成り立っていると言うことの重要性を基本に経営をすると言うことでした。
ステークホルダーという言葉は、当時はまだ余り耳にしていませんでしたが、企業が経営を行っていく上で直接的・間接的に影響を受ける 利害関係者という意味で、実に基本としようとしていた対象でした。多分、この言葉は当時初めて聞いた言葉だったように思います。 顧客、株主、従業員、地域社会や金融機関、下請け、協力会社など多岐にわたりますが、何1つ欠けても経営は成り立たない重要な存在です。 直接的には顧客、従業員、 株主、 金融機関が業務の対象となりますが、間接的な地域社会や従業員の家族などにも影響が及びますので、 充分注意して対応しなければなりません。
当時は経営企画の立場で、会社の将来をとのような形でステークホルダーの皆様と形成して行くかについて、中長期の経営計画の中に盛り込んで 株主総会で株主の皆様に了解をいただき、短期計画に落とし込んで推進しておりました。既存の技術力と生産力を如何に活用して対他競争力を 高めて、顧客の期待に応える事に注力しました。 また、経営計画を従業員全体に浸透させるために、本部、部・工場、課、係の全ての組織計画に連動させて、個人の行動計画に落とし込み 従業員の了解を得ると共に、延いては従業員のご家族にも会社の方向性をご理解いただいておりました。
行った活動の中で印象的だったのは、今まで世の中で普遍だった製品の素材を鋳造から鍛造に加工方法を変更することで、軽量化を達成して 顧客のニーズを掴む活動を行ったことです。特に営業部門が組織内に有りましたので、まずは国内で展開し、グローバルで展開させるために 顧客の海外窓口にも頻繁に訪れて営業活動し、受注を達成して顧客の要望に応えておりしました。
顧客が何を望んでいるか、そして会社として何が出来るかを分析し、積極的に関係性を持つことが重要で有る事を認識しておりましたので、 先ずは顧客の要望を聞くことから始めました。最初は一般的な内容しか出来ませんが、回を重ねる度に話の内容が成熟してきますので、 顧客として当方に期待しているところを聞けるようになってきます。そうなるとしめたもので、合わせられる限りの社内調整を行って妥協点を 見つけ出せれば、結果に繋がると言うことでした。 一言で言えば、ステークホルダーとの関係性は「信用力」だと思います。信用が無ければ、何も協力していただけませんし結果も付いてきません。 重要なポイントは、ステークホルダーの想いや関心事を理解し、積極的に関係性を構築して、相手に合わせて働きかけを変化させる必要がある と言うことだと思います。
1年の短期間でしたが、外に目を向けた行動が企業にとって重要である事を学んだ期間でした。


